不妊検査の結果は。
「年明が明けたら、一回病院に行って検査してみよう。
ただ不安に思ってるより、ちゃんと調べてもらったがいいよね。」
夫とそう話し、病院に行くことにした。
今日は血液検査の結果を聞く日。
前回よりはるかに待ち時間が長かった。
待合室には、たくさんの女性と、同年代くらいの夫婦が多く居て、
自分の番号が案内モニターに表示されるのを待っていた。
12時からの予約だったので、
そのあと新しくできた博多うどんの店にお昼にご飯に行こうと夫と話していた。
「あのうどん屋、恵比寿駅から徒歩2分だって」
「んじゃ山手線でいいね」
そんな会話をしながら、私たちも待合室の椅子に腰かけていた。
血液検査の結果を聞くだけだから、早く終わるでしょ
と思っていたが、待てど暮らせど私たちの番号は呼ばれない。
1時間経ち、2時間経ち、イライライラ…
(せっかくの土曜日なのにこの椅子に何時間も座ってるだけやん…)
ちゃんと受付が通っているか確認しに行ったりしながら、
結局私たちの番号が呼ばれたのは、3時間半後。
「12時に予約したのにもう4時になるやん!?」
「予約の意味のなさ!ちょっと文句言って帰ろう」
そう言って、診察室へ向かいました。
****************
「うーん、排卵がきちんと出来てない可能性があります。
もう少し検査が必要ですが、排卵誘発剤を使っていくことになると思います。」
(………えっ。)
(………えっ?)
(私、...排卵できてない…んだ。)
先生の言葉を聞いて、頭の中がスローモーションのようになった。
”排卵が出来なければ、妊娠には至りません。”
最近読んだ妊活サイトの記事にあった一文が急に頭をよぎった。
(なにそれ、どういうこと…?)
自分の感情に追いつく前に、
喉の奥がぐっと詰まって、涙が溢れそうになった。
でもすぐに、説明をすすめていく先生の声に気付いて、
(説明ちゃんときかなくちゃ、)と我に返った。
どうやら私は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の疑いがあるのだそう。
・卵子の数を数えるAMHの値が平均より高いこと
・LHの値が高め
・エストラジオールの値が排卵期なのに62と低い
などなど、説明された。
後で調べたら、多嚢胞性卵巣症候群は女性の5%ほどにみられ、不妊の原因の20%を占めるそう。つまり、この症状の人は”結構いる”みたい。
病院を後にして、駅に向かって歩いた。
(そういえば3時間半待たされた怒りは、その時もう忘れていた)
5時すぎ。昼ごはんには遅すぎるけど、このまま帰っても気が紛れないと思い、博多うどんを食べに行くことに。
「まだそんな深刻なやつかわからんし、子供は出来ませんって言われたわけじゃないんやし」とか、夫は慰めてくれていた。(のか、本当にのんきなのか分からないけど)
「あ〜うどん美味しかったらいいな〜♪」と、スキップしてみたり、気持ちをうどんに持って行こうとした。
こわい、不安、私フニンショウなんだ、排卵ショウガイなんだ。排卵検査薬使ったり毎月生理の時期に落胆してたの意味なかったんやん、
ちゃんと、子供できるのかな。
...私...母親になれないのかな。
やっと頭の中の不安と感情が追いついて、涙がぶゎっと流れてきた。
急にホームで号泣し出した私の背中を、夫がさすってくれていた。